2012年04月02日

ピエロの涙。



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ピエロは、なぜ泣いている?
ピエロの顔、よく見ると必ず涙のペイントがあります。

調べるといろいろな理由が出ています。
どうやら確たる、理由はなく諸説あるようです。

馬術史をひもといてゆくと、18世紀ごろフランスにピエロという馬術家が登場します。
彼は主にサーカスで、自分の調教した馬を披露していたそうです。
しかし、そのあまりの見事な調教のため、魔女狩り裁判にかけられ殺されてしまったのです。

こうは考えられませんか?
有り余る才能があるピエロ、
自分を守るため、道化に徹している。
その悲哀が、あの涙であると・・・。

こんな理由をピエロが泣いてる理由に挙げることは、めったにありません。
(私の知る範囲ですが。)
馬術書にも、そのような言及はありません。
しかしどうでしょう。
馬に関わる者として、「今は道化を演じているけど、ピエロは名馬術家だったんだよ。」
なんていう、薀蓄をサーカスに行く際は、披露してみたいものです。



さすがに、ピエロの写真なんかないですね・・・。
写真は、有り余る体力を自主消費中のお馬さんです。






posted by 三国 at 17:37| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月11日

手綱の握り(手の内)。



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手綱の持ち方、難しいですよね。
馬の口を引っ張ってはいけないことは、当然です。
常に一定のテンションを保ちつつ、随時反応よく使用できるよう維持しなければいけません。
意外と長年馬に乗っている人でも、難しいです。
最初は出来ていても、乗っているうちについ乱雑になってしまうことも・・・。

さあ、この手綱の手の内。
どのぐらいの強さで握ったらよいか。
「やさしく、しっかり握りなさい。」
など、意味不明な指導をしがちです。
まあ、あながち間違った表現でもないんですけど・・・。

具体的にこの手の内、イメージしやすいように言葉にすると、
「タマゴを握る様にです。」
タマゴですので、強く握ればつぶれてしまいます。
軽すぎれば、落としてしまいます。
このイメージをよく掴んでいただければ、かならづ上達への早道になるでしょう。
勿論このイメージは騎乗中常に持ち続けることが必要です。
すなわち、常足のみならづ速足・駆け足でも。
また、収縮運動・旋回運動・停止でもです。
これが結構難しいです。
しかし、不断の努力を続けることでかならづ結果が出ること請け合いです。


posted by 三国 at 21:14| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月06日

牛柄の馬。


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牛柄の馬、見たこと有りますか?
こうなんともいえない、かわいらしさが有ります。

この牛のような毛並みの馬、一般には「ピント」と呼ばれ、
主に、北米で多く見られます。

日本で見ることは珍しく、いても白地に茶色というのがほとんどです。
写真のような完璧に白黒のホルスタイン柄は、めずらしいです。

この馬、とてもかわいらしかったです。
私が近づくと、体を摺り寄せてきてなんと「ブヒッ」と鳴いたのです。
ウーン・・・。
posted by 三国 at 15:06| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月22日

ぴんころ地蔵。



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前にも長野県佐久に行った記事を掲載しました。

最近、佐久一押しのお寺が有ります。
人呼んで、ぴんころ地蔵。

長野といえば、いわずと知れたご長寿県。
勿論ご長寿は良いことです。
でもかさむのは、老人の医療費。
そこで健康への啓蒙の目的もありお出まししたのが、この地蔵尊です。

ピンピン生きて、死ぬときはコロリと死ねる。
こんなご利益がある、お地蔵様だそうです。

一昔前は無条件に長生きがもてはやされました。
しかし本来一番大切なのは、尊厳です。
最後の最後まで、人としての尊厳が守られていること。
これこそが、近代社会が本来求めてきた物です。
尊厳ある最後を迎える。
これは今後、我々と我々の社会が迎える大きな試練となるでしょう。


いわずと知れた、ドイツの名馬術家シュテンスベックは83歳と当時では随分ご長寿でした。
シュテンスベックは、亡くなる一週間前まで騎乗・調教していたそうです。
まさしく、ピンピンコロリを地で行く老人です。
思うに、乗馬こそピンコロの秘訣とならんやも知れません。








posted by 三国 at 20:17| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

後追いの鳴き声。


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長く細い馬のいななき。
聞くと物悲しいような、切ないような気持ちになります。

実はこの鳴き声、後追いの鳴き声といいます。
子馬が母馬を呼ぶ声で、幼い時期にしか出さない声といわれています。
言われています。
言われていて、そのはづなんですけどね〜。
三国ウエスト農場の馬、後追いの声で鳴くんですよね〜。
みんないい年して・・・。
大体どの馬も親子どころか、血縁関係も無いはづなんですけどね。

馬運車で、お出かけするとき。
外乗に出かけるとき。
かならづ、残っている馬が鳴くんです。
後追いの声で・・・。
仲良いなお前ら・・・。

どういう訳か、ムツゴロウさんにでも聞いて見なければいけません。

ところで写真の馬、かわゆいです。
ポニーの子馬です。
生後一ヶ月。
うわっ!ついて来るよ、体こすり付けてくるよ。
いちいちかわゆいです。
まだ引き取り手の決まっていない子馬、興味がある人はご一報ください。


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2011年06月30日

「推進」事始め。



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乗馬の指導を受けると、「推進」という言葉を聴く機会が多く有ります。
この「推進」という言葉、誤解を受けたまま理解されていることが多いですので、この機会に簡単に説明したいと思います。

「推進が大事。」
この言葉にはウソはありません。
しかしこの「推進」を単にスピードと勘違いするのは、大きな間違いです。
もしスピードがあればよいなら、競馬馬などそのままで馬場馬術の名馬になってしまいます。

「推進」とは、前進気勢とでも言えばよいんでしょうか。
いわば自動車のエンジンを軽く吹かした状態、
いわばローギアーで坂道をぐいぐい進んでいる状態とでも言うべき物です。

「推進」は大事です。
「推進」がなければ馬はハミウケ・収縮はおろか厳密な意味で直進・回転・停止も出来ません。
これは自転車の運転にたとえてみると解りやすいです。
スピードが遅くてもグイグイペダルをこいでいる自転車は左右にふらつくことも無く、まっすぐ進みます。
逆にフラフラしてしまうときには、ペダルをこいで(馬だったら脚)立て直します。
回転するときでも自転車がしっかり前進していなければ、倒れてしまいます。
馬だと回転してくれません。
停止の際も、単に失速したのであればバランスを崩してしまいます。
上手にとまるには、ある程度ペダルを漕いだ上でブレーキをかけなくてはなりません。
このメソッドは、そのまま乗馬にもいえるのです。

ではこの「推進」、どのようにすれば確保・維持できるのでしょうか。
それはまづ適正・適時な脚の使用。
次に馬の背中の動きを邪魔しないしっかりした騎座。
馬の口を邪魔しない柔軟なコブシ。
まっ、基本をしっかりということに尽きます。

私も出来ないんですけどね・・・。





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2011年06月14日

馬の耳かく語りき。


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今回は、馬の耳についてのお話です。

馬は基本的に、自分の興味のある方向に耳を向けています。
普段から眼以上に細やかに動かし、周囲をうかがっています。
ですから馬の耳は、時として多くの情報を私たちに伝えてきます。
注意深く観察し、常に馬の耳を意識することは、馬の気持ちを理解し上達を早める近道になります。

では乗馬の際、馬の耳の動きにおいて留意すべき点はどこにあるでしょうか。

基本的に人が馬に乗っているときに、馬が興味を持っていなければいけないのは「騎手」です。
騎手に馬の意識が依っていなければ、細やかな扶助は伝わりません。
ですから乗馬中、馬の耳は軽く後ろに向いていることが必要です。

完全に前に向いている場合などは、集中力を乱していることが多いです。
軽く脚などを使用し、馬の集中を取り戻してあげるとよいでしょう。

ただし、
極端に後ろを向いている場合や、
耳を後ろにぴたりと伏せている場合は、
強い警戒心を持っている場合です、声をかけるなどして馬を安心させてあげましょう。


さらに馬が集中力を高め、より騎手の扶助・手綱に依寄(頼る)するようになってくると、
耳が横に軽く垂れ、耳から力が抜け、馬の歩様に合わせフワフワ上下に揺れ動くような動きをするようになります。
こうなれば馬を身体的にも、精神的にも、完全にコントロールしている状態に近いといえます。

馬耳東風。
馬の耳に念仏。
馬の耳は何かとネガティブな例えに使われがちですが、
其処から得られる情報は、愛馬家にとっては欠く事ができない物ばかりです。










posted by 三国 at 20:54| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月28日

予防接種(卵アレルギー)。


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馬も、予防接種を打ちます。
なだめたり、すかしたり、
はたまた、餌でごまかしたりと中々大変な作業です。
(まあやるのは獣医さんなんですけどね。)

人間の場合、予防接種を卵アレルギーの人は控えるように言われます。
これ理由を知らなかったんですが、前回の動物取扱業者の法定講習で合点が行きました。

予防接種の注射液は、ウイルスそのものを熱処理した物を使い、
これによって、特定のウイルスに対する免疫を高めるわけです。
このウイルスを培養するときに、卵を使うんだそうです。
ウイルスというのは、生きたたんぱく質の中で増殖します。
ですから、予防接種の注射液の中に卵の成分が残っていることがあるので、卵アレルギーの人は摂取できないというわけなんだそうです。

近年子供を中心に、アレルギー症が増えていると聞きます。
是非、気をつけて生きたいものです。


ところで、
馬の卵アレルギーなんて無いよね?
たぶん・・・。
知らないけど。




posted by 三国 at 11:09| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月12日

春の馬。



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やっと、春がやってきた感じです。
水道・道路・暖房と冬の間の心配事が、ウソのようです。
まあ、そのぶん新しいトラブルも起こるんですけど・・・。

春といえば恋の季節、馬も例外ではありません。
やはり浮ついた気分になるようで、なにか挙動不審になります。
そうマサに思春期の人間のようにです。



例えば去勢(睾丸の摘出)を行なった、いわゆる「せんば」でもやはり春はその状態は変化します。
理由ははっきりしないのですが、やはり技術的に発情期を抑えても、どこかに動物としての本能が残っているのでしょうか。

一説(ジェームス・フィリスいわく)によると、四歳(成馬)までに去勢を行なわなければ、余り意味は無いという意見も有ります。
一度発情を経験してしまった馬は、どうしても忘れられない物なのかもしれません。

なんにせよ、春という時期は動物の状態が普段と違うということに気をつけなければなりません。
乗馬の際もいつも以上の慎重さが必要です。

先日獣医さんとお話していましたら、
病気・怪我などのトラブルが多いのも、ダントツ春なんだそうです。



話は変わりますが。
以前精神科の専門医の方が、ラジオで、
「今はシーズンではないので、比較的暇です。」
と話していました。
人間の精神科も一番忙しいのは春だそうです。
人間も生物、
春は情緒不安に、襲われるんでしょうか?

posted by 三国 at 18:45| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月27日

スタッドレス・蹄鉄。

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寒いですね。
しかし今年は雪が少ないので、まだ救いが有ります。
雪が降ると、山道が不安になります。
今年は、どうしても通れない道というのは、今のところありません。
そうはいっても、先週自動車の四駆のギアを入れ忘れて、側溝に脱輪し近所の人に救出してもらったばかりなんですけど・・・。
普段は、スタッドレスタイヤを履いたカプチーノ(スポーツタイプの軽自動車)で充分走れています。

そうそう。馬の蹄鉄にもスタッドレスがあるんです。
写真にあるものなんですが、どうです?
普段見慣れた蹄鉄と、チョッと違いますよね。
細身のラインに、大き目の突起。
雪や氷に、食い込みやすくなっています。
馬場での練習というより、外乗などに使うとよいです。

実際雪の中で馬に乗ると、困るのは、
ヒヅメの裏に雪がくっつき、一昔前に流行した厚底サンダルを馬が履いたようになってしまうことです。
こまめに金槌で叩いて取って上げないと、馬が歩けなくなってしまいます。
北海道などの、サラサラなパウダースノーなら問題ないのかもしれません。

馬も状況や環境によって随分楽しみ方が変わります。
きちんとした状況判断と、それに伴う乗馬。
これも大事な乗馬の練習です。



posted by 三国 at 15:52| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月08日

一日神馬(シンメ)趣意。


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今年も、1月2日に神馬奉納に出かけてきました。

神馬とは、神様の乗る馬のことです。
本来神社には、本物の馬を奉納したそうです。
しかしそれでは余りに大変なので、絵馬を代わりに奉納するようになったそうです。
三国ウェスト農場では、昔をしのびたった一日ですが本物の馬(チョッと小さいんですけど)を奉納します。

神主さんは、きちんと趣意を高札に揚げたほうが良いと言われます。
まあ確かにきちんと説明しなければ、何故馬が神社にいるのか理解に苦しみます。
本来ならば、聖域である神社の境内に四足動物を入れることは控えるべきことです。
もちろんうるさく言う人は、少ないんですが・・・。
神社は、やはり公園ではなく特定の信仰をつかさどる、ある意味個人的な領域であるという側面も重視されるべきことです。
馬といえど、特別な理由が無ければ本来立ち入りは許されません。
大きな神社では、大鳥居の前に下馬(馬から降りよ)との高札がいまだにかかっているところが少なくありません。
ですから奉納といえども、馬が神社に立ち入る場合はやはりその趣意を公に示す事も大事です。
来年からは、気をつけます。

ところで、
神社で馬とくつろいでいるところ、関西からのお客さんに話しかけられました。
「ところでなんで、みんな並んでいるの?」
???
初詣は、並んで順番を待つのが当たり前と思っていました。
違うんですね。
神社によっては、境内に我先にと押し寄せるところもあるようです。
確かにテレビなどで見る初詣はソウですよね。
深川神社では、誰に言われるわけでもなくみんな2列に並んで順番を待っています。
へえ、
ところ変わればなんですね。
神主さんによれば、深川神社でも昔は並ばなかったそうですけどね。
posted by 三国 at 18:29| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月20日

牛飲馬食。


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馬肥ゆる秋も終わり、いよいよ冬の気配が近づいてきました。

古くから、牛は飲み馬は食べる(牛飲馬食)といいます。
実際牛は、牛乳を出す関係からか、大量の水を飲みます。
その様はマサに、大杯を飲み干すが如きです。
対して馬は食べる食べる、ナント平均11キロほどの餌を一日で平らげます。

量だけではありません、馬は質の高いより高価な餌で無ければなりません。
これは、牛は胃が四つあるので栄養価の低い餌でも念入りに消化できることに関係が有ります。
牛は反芻を繰り返しながら、効率的に餌をエネルギーを摂取していきます。
馬は胃が一つしかありません。
自然高価な栄養価が高い餌を食べることになります。

こうしたことはボロ(ウンチ)を見ても良くわかります。
牛のボロはマサに栄養を取りつくしたあと、といった真っ黒い色をしたペースト状です。
対して馬のボロは、まだ牧草のの色を残した鮮やかな草緑色です。
形も良く見ると、牧草の繊維状の物がまだかなり残されています。

こうしたことから、昔は牛に比べて馬は随分ぜいたく品であるという認識だったようです。






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2010年11月15日

馬運車。


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馬運車、馬を運ぶ為の専用車です。
やはり馬は、狭い自動車の荷台に乗るのを嫌がることが多いです。
そこで馬をなだめたり、すかしたり。
馬が馬運車に乗るまでの間、馬との騙しあいです。
乗ってからも、不安定な荷台は馬をとても不安にする為、慎重な運転が不可欠です。
馬運車での馬の輸送は、いずれの乗馬施設でも悩みどころの一つです。

サラブレッドを始めとする軽種は、傾向として馬運車に乗ることを渋るようです。
対して馬車を引くような重種は、比較的楽に乗るようです。

日本和種を始めとするポニー種は、物怖じしない性格が特徴的です。
ですから馬運車に乗るときもあまり苦労はありません。

写真の、シェットランドポニー。
自動車大好き。
軽トラックの荷台に、スロープもなしに飛び乗ります。
それも自分から。
今日も、瀬戸深川神社の一日神馬(シンメ)になる為出張です。



posted by 三国 at 17:51| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

「脚」について。


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お客様から「脚」についてのご質問がありました。

うーん、意外ときちんと説明されることが無いですね。
この「脚」の問題。
スタッフ宮尾も、「実は私もきちんと解っていない・・・。」との事。
まずいです。
意外とベテランの乗馬愛好家でも(いや、ベテランに限ってというべきか)なんとなく「脚」という言葉を使っていたり、ただ踵で馬腹を蹴り上げることを「脚を使う」といったりしているのではないでしょうか?
私自身も、もう一度「脚」について見直す意味でも、今回の記事を書いてみたいと思います。

そもそも「脚」とは、どの部分でしょうか。
正確に言うと、「脚」はふくらはぎの部分です(踵ではないです)。
ふくらはぎで、馬腹を包み込むように扶助を行なうのが「脚を使う」ということです。
これだけでは実際うまくいかないことが多いですが、基本的にはこれが「脚」です。

では「脚」の、機能です。
「脚」は端的に言うと、「馬の後躯(コウク)を支配」するものです。
では「馬の後躯」とは何か。

うまは、後ろ足で走ります。
前足は体重を支えるのみです。
すなわち後躯は、車で言うエンジンです。
脚は、アクセルの役目をします。

馬は歩くとき走るとき、その第一歩を後ろ足から行ないます。
すなわち「脚」は、三種の歩度(並足・速足・駆け足)を出すときに使います。

今回は初歩的な「脚」のお話ですので、「内方脚・外方脚」のお話は省略します。
しかし、それも「後躯の支配」という観点から説明が出来ます。


今回のお客様のお悩みですが、「馬が脚に従ってくれない」ということでした。
考えられる原因はいくつか有ります。

まず第一。
馬に覇気(推進)が無い。
これは最初の並足を積極果敢に行なうことで、解決します。
それにはまず、馬の背中の動きと頭頚の動きを邪魔しないで乗る事が肝要です。
安易に鞭や拍車に頼らないようにしましょう。

第二。
「脚」が効いていない。
これは膝に力がはいりすぎて、ふくらはぎが馬腹に密着しないことで起こる事がおおいです。
まず、一度足の力を抜いてみたり、鐙の上に立ち上がってみて正しい足の位置を確認することで、解決します。

第三。
姿勢が悪く、馬が前進しにくい。
これは、「脚」の使用と同時に手綱を引っ張ってしまう場合も含みます。
これは、インストラクターの指導で繰り返し調馬策をかけてもらいます。
調馬策で正しい姿勢の維持を身に付ければ、すぐに解決です。


とにもかくにも、
うまくいかなかった場合に、たとえ慣れた人であってもであってもすぐに馬のせいにするのではなく、基本に立ち返ってみると良いでしょう。
私も手綱を引っ張ってしまっていることを指摘され、他のスタッフに繰り返し調馬策で三種の歩度(手放し)で行なってもらいました。

原因を正確に把握して、練習に望むことで「壁」は越えられます。

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2010年10月29日

馬とトリプトファン。


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トリプトファンというサプリメント、ご存知でしょうか。
このサプリメント、鎮静・リラックス・安眠などに効果があるとして、近年注目を浴びています。

トリプトファン、原料はナント牛乳。
みなさん経験有りますよね。
夜、一杯のホットミルクでなんとなくホッとする経験。
これ実は、牛乳に含まれるアミノ酸の一種であるトリプトファンの効果なんです。

競馬の本場であるアイルランドでは、このトリプトファンのチューブが馬の馴致に良く使われるそうです。
馬運者に乗らない馬や、走った後興奮が収まらない馬に効果があるそうです。
ドーピングにうるさい競馬の世界で使われるということは、やはり天然由来のサプリメントなのだからでしょうか。

昨今は、牛乳の消費量が減って久しいといわれています。
秋の夜長、
眠れない夜に、一杯の牛乳を試してみてはいかがでしょうか?



しかし、トリプトファンといいメラトニンといい、牛乳って不思議な力が有りますね。



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2010年10月15日

鍼灸と藤枝梅安。


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私、疲れがたまったり怪我をしたりすると鍼灸院のお世話になることが多いです。
風邪気味のときなども、針を打ってもらうと楽になります。

この鍼灸、随分誤解されることが多いです。
いわく、神経を切られて不随になるとか。
いわく、キュウショウを間違えて死に至るとか。
これらの誤解、殆ど池波正太郎の必殺仕事人から来ているような気がします。
この小説では、仕事人扮する藤枝梅安がその鍼灸の技術を持って悪人を始末していきます。
鍼灸師の先生の話では、日本で使われる細い針では命を奪うことは不可能だそうです。
また、髪の毛より細い鍼灸針では、神経を切ることはもとより血管を切ることも不可能だそうです。

私の周りでも、針治療を恐れる人が多いです。
その理由の殆どが藤枝梅安か北斗神拳のイメージによるものです。

では、体に針を刺すことはまったく危険は無いか?
そういう訳でもないそうです。
一部呼吸困難になるキュウショウがあり、場合によっては命の危険があるそうです。

まっソウはいっても、専門家の手によればまず事故はありません。
あまり誤解に紛らわされづ、効果的に利用したい物です。


ちなみにこのツボ、動物にも有ります。
写真は牛のツボの図です。
味噌を塗った上で、お灸をすえると効果的だそうです。
獣医さんでなくても出来るうえ、副作用が無い為酪農の世界では結構奨励されているようです。

馬だと如何だろう?
牛と違って暴れないか心配ですが、一度試してみようと思います。



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2010年09月21日

へい 併馬(へいば)の事。


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写真のような併馬(へいば)、あまり聞かない調教法です。
最近の乗馬界では、おこなわれることはありません。
しかし、古い西部劇などでは4〜5頭いっぺんに、このヘイバ調教を行なっているシーンが出てきて唖然とさせられます。

この調教法、人を乗せることに過度の緊張をしてしまう馬の訓練に良いと物の本に出てきます。
まあそんなことより、馬に乗って馬を引くという絵面のかわいらしさから一度やってみたかったのです。
最初緊張してどうしたらよいかわからなかった馬が、徐々に運動をともにしていってくれるのは、大きな喜びです。
あせらず少しずつ小さい円から始めることで、馬も慣れてきます。
始めから無理に、ヘイバしようとしてムチを当てたりすれば失敗します。
どんな調教でもそうなんですが・・・。
ゆっくり対称の馬の周りを回ることから始めれば、きわめて短時間(15分ぐらいです)に馬は慣れてきます。
もしうまくいかなければ、引き馬からやってみます。


人間も新しいことにチャレンジするときは、少しづつステップアップしていくことが大事です。
「急がば、廻れ。」
とても大事な、教訓です。
もし何かに躓いても、一回前のステップに戻ってみると、案外早く解決します。

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2010年09月16日

西部劇と鞍。


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乗馬を始めるきっかけは、人それぞれです。
その中でもある一定以上の年齢の方の中には、「ウェスタン・ムービーにあこがれて」という人が多いのではないでしょうか。

私自身、西部劇の馬は一つの憧れでした。
勿論幼少のころですので、西部劇に描かれる人種差別問題や政治問題については何も知りませんでしたが・・・。
まあそのころは、純粋に馬に見入っていた物でした。

後年、馬や馬文化に積極的に関わるようになった私は、ある違和感にぶつかりました。
ソレがナンなのか、しばらく思い出せないでいました。
ところが最近自分の鞍を買うことになり、唐突にその違和感の中身にきずいたのです。

「西部劇の騎兵隊の使っている鞍が、我々が良く知っているウェスタン鞍と違う。」

そう、よくカタログや雑誌・ウェスタンスタイルの乗馬クラブで見るウェスタン鞍と、西部劇で見る鞍が違うんです。
記憶を確かめる為、昔見た映画のDVDをあらためて購入しました。
よくよく確認すると、いわゆるホーンと呼ばれる鞍の前部に突き出した取っ手がありません。
またウェスタン鞍の特徴である、フェンダー(ブリティッシュ鞍のアオリ革と鐙革をかねた物)がありません。

調べてみたら、この鞍、
ジョージ・マクレラン将軍という人が、クリミア戦争に観戦武官として参加したおりに、
ヨーロッパ・ロシアの軍用鞍を参考に、開発した物だそうです。

造りはシンプルですが、軽量で機能的です。
膝に頼らない乗り方をしなければならづ、これが逆に馬上での行動性を高めています。
馬にも人にも負担の少ないつくりになっています。

どこかで見たことある形だなと思っていましたら、この軍用鞍、日本の和鞍そっくりです。
見れば見るほど、そっくり・・・。
機能は違いますが、モット何か共通点があるかもしれません。

オーストラリアの馬具カタログに、このMillitary Saddolle載っていました。
機能・形は、スペイン鞍と同じです。
馬場馬術の練習に、使えそうです。
いま、結構ワタクシ欲しくなっております。
どうしよう・・・。











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2010年09月03日

ラクダの手綱。


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アツイ毎日、いかがお過ごしですか?
あまりの暑さに、脳がショート気味。
ブログの記事も、なかなかアップできません。

暑さといえば、砂漠。
砂漠といえば、駱駝(ラクダ)です。
(イヤイヤ砂漠といえばスイカだという人も中にはいるでしょうが、この際そんな人は無視です。)

駱駝は四足でその背に人を乗せル為、馬と同じように思いますが、
種類としてはそのヒヅメの形(偶蹄類)から解るように、牛に近い動物です。
そのせいか、牛に似て性格はのんびりしています。
馬のように敏感に物に驚いたり反応したりしない分扱いやすいようですが、実はそんなこともありません。
性格に凶暴さは無い代わりに、結構性格が悪いです。
嫌な事は絶対しませんし、ムチで叩いても基本言うことは聞きません。
気に入らないことがあれば、あの長い首を騎手に向けツバを吐きかけてきます。
駱駝は牛と同じに胃袋を4ツ持ち、反芻をします。
ですからその唾は、胃液が混ざり臭いの何の。

この駱駝、地域によって違いもあるようですが、大体乗っている人は一本しかない手綱を操ります。
通常馬の場合、左右2本の手綱を用います。(手綱の英語であるreinnsに複数形のsがつく道理ですね。)
考えてみれば、牛も奥歯があるためハミが噛めレません。
平安時代の牛車の牛も、鼻輪に通した一本の綱でコントロールされています。
駱駝も、奥歯があるのでしょう。

ちなみに、牛類は奥歯がある代わりに、前歯がありません。
子牛が甘えて人間の手を吸っても、痛くないのはそのためです。

駱駝の一本手綱、皆さんも機会があったら挑戦してみてください。





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2010年08月31日

映画「トロイ」と騎馬。


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最近ハリウッド映画を見ますと、その時代考証の細かさにびっくりします。
勿論全部が全部そうではないのですが、歴史学の専門家が映画制作に関わっているのだそうです。

時代考証の中には、単に物や道具にこだわった物も有ります。
しかしやはり目を引くのは、その時代の人々が使っていた技術・習慣の細かい部分です。
私の場合はやはり、自然に馬に目が向きます。

映画「トロイ」において、
とても上手に、古代ギリシャが表現されていました。
娯楽作品としての出来も良く、映画に引き込まれてゆきました。

馬そのものも、なるべく当時の馬(現在と比べるとかなり小さい)に近い物を使っているようですが、詳しくは解りません。
特筆すべき点は、馬具です。
それも「鐙」。

古代ギリシャにおいては、「鐙」(アブミ)はまだ開発されていません。
鐙は馬術2600年(一応最古の資料クセノポーンを0年として)のなかで、極めて新しい道具といわざるを得ません。
鐙は馬上で武器を使用するには便利な道具ですが、乗馬そのものには必ずとも必要ではないと考えられます。
その一つの証明として、古代社会においては鐙を使わずに馬に乗っていたことが上げられます。


そうはいっても、馬上で体を安定させるのに鐙はとても多くの助けをしてくれます。
現在の乗馬愛好家の中でも、完全に鐙をはかないで馬を操れる人は少ないのではないでしょうか。
ローマ時代になると、鐙は無くとも皮製の鞍(クラ)が開発されます。
古代ローマの鞍には、前に三本の突起がついており騎手が体を支えやすくしていました。
しかし映画「トロイ」の時代には、この鞍さえまだ存在していません。

どのようにしているのか、映画の中の騎士たちを注視していました。
素晴らしい!!
映画の中で、俳優・エキストラそのすべてが馬を乗る際、鐙をはいていません。
ただ布を敷いたのみの馬にまたがり、疾走していました。
これ、なかなか難しいです。

最近のハリウッドのこだわりはすごいですね。
こんなところ、見ていない人が多いと思うんですが。
日本の時代劇でも徐々に、いろんなことが見直されてきています。
どんな風に変わってゆくか、楽しみです。


よくフランスの乗馬の先生が言っていました、
「練習始まり20分は、鐙をはかないで乗りなさい。」
「鐙なしで並足・速足・駈足(!?)が出来てからレッスン始めです。」
まあ、そういわれましても・・・。


最後に、ジャック・ド・サンファールいわく
「鐙は足の飾りにすぎづ。」
だそうです・・・。


三国ウェスト農場では、鐙に過度に頼り過ぎない乗馬を推奨しています。



posted by 三国 at 18:37| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする