2014年04月02日

刀の下緒(さげお)考察。


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下緒ときいて、何かがすぐ分かる人は武道好きか時代劇好きのどちらかでしょう。
下緒というのは、刀の鞘(さや)の横についている長い紐のことです。
柔軟性もあり、頑丈な紐です。

正直に言います。
実はワタクシ、この下緒の意味・使い方を良く知らないのです。
それぞれの武道流派・道場の先生に聞いても、いまいち納得の行く理由分かりません。
また人によっても、その扱いが随分違い、正直何のためにあるのか良くわかりません。
時代劇を見ても良くわかりません。
あげく時代劇だと、下緒が鞘に巻きつけてあることが多く、
いわゆる、浪人差しといわれる状態です。
まあ、それほど実用には意味が無いという意味でしょうか?

下緒の考察の前に、まず一般的な下緒の作法について。
下緒は一般的には、腰に差した刀を固定するものとして使われます。
そのため、人によって違うものの、下緒を腰帯に巻きつけます。
養正館武道でもこのように教わります。
しかし、
刀の鞘を落とさないようにというのですが、そんなことはありません。
刀の鞘を下緒で固定しないと落としてしまうような人は、チョット刀の扱いに慣れた人なら皆無でしょう。
また実際の戦いの場で鞘を帯に固定するのは、自分を不利にしてしまいます。
後ろから、または組討で鞘をつかまれたらそれだけで動きが止められてしまう可能性があります。
養正館の技でも、鞘をつかまたときの対処など聞いたことがありません。
ですから実際の戦闘に望むさいは、むしろ鞘は帯から抜けやすくすべきなのです。

道場によっては、下緒をいっさい無視して垂れ下げて練習する派も多いそうです。
しかしそれこそ紐を腰からぶら下げて、不便の元です。
またそれこそ何のために、下緒があるのか分かりません。

もうひとつ、考えなければならないのは武士の腰には大刀だけではなく小刀も刺しています。
御丁寧にこれにも、下緒はついています。
もお、なにがなにやら・・・。
通常2本折で刀に付属している下緒、大刀・小刀で計4本も腰にぶら下がっています。

うーん、結局下緒とは何なんでしょうか?
これを考えるには、少々我々は武道にこだわりすぎているのかもしれません。
刀は寝るとき以外、常に携帯するものです。
もしかしたら、下緒は武士にとって生活便利道具だったんではないでしょうか。
事実、現代のように便利な道具の無い時代に、紐は実にいろいろな用途に使われます。
たとえば、下駄などの履物の修理から簡単な荷造り、ハチマキやタスキはたまた捕縛にも使えます。
場合によっては、止血や骨折の際の固定にも使えます。

そんな、神聖な刀に・・・。
という意見もあるでしょうけど、実際小柄(こがたな、手裏剣ではない)・笄(ちょんまげを整える道具、耳カキにもなる)といった小物を実際刀の粟口と鍔にはさんで携帯していたわけだし、戦場に出ればいろいろな生活道具は必要なわけです。
武道の技に下緒を使った技が無いわけではないのですが、非常に特殊な技です。

結論として、下緒は日本刀としての機能とは別の生活便利グッズ。
というのが、私の私見です。
もちろん私自身、いまだ考察中のテーマです。
異論・反論はあってかまいません。
というか、まだまだ議論していきたいテーマです。
道場でお待ちしています。


posted by 三国 at 22:31| Comment(0) | 養正館武道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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